鬼平 第1話「血頭の丹兵衛」のあらすじと感想です。

ネタバレを含みますのでまだ見ていない方はご注意下さい。

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血頭の丹兵衛

小房の粂八

夜の闇に紛れて逃げる盗賊団。一味の1人若い男が火盗改に囲まれる。仲間はみんな逃げのび、見捨てられた男はただ1人奉行所に連行された。

 

「たいした野郎だ、石抱でも落ちないとはな」

男は拷問を受け続けても、頑として口を割らなかった。

「オレがやろう。お前が小房の粂八か」

満身創痍の粂八の前に1人の男が現れた。

「火付盗賊改方長官。長谷川平蔵だ」

平蔵は粂八に、なぜ見捨てた仲間をかばい立てするのか問いただした。

「盗人には盗人の義理もあれば誇りもあるんですぜ、旦那…」

平蔵の激しい拷問が始まり、粂八は叫び声をあげた。

「粂八、こんなことで音を上げるな。貴様が今までしてきたことに比べれば何の苦しみでもあるまい」

平蔵の言葉に粂八は不敵な笑みを浮かべた。

 

OPのジャズっぽいインストはおしゃれでぐっと引き込まれます。スタイリッシュな曲だと思ったらクレジットに田中公平の名前を見て納得しました。映像も雰囲気があってかっこいいです。

時代劇なのでいきなりドギツいシーンがありますが、規制は入っていませんでした。全体的に暗めの画面にしているのは、きつい表現を和らげるためかもしれませんね。

盗賊三ヶ条

粂八が牢の中から姿を見た少女。平蔵が捕らえた盗賊の娘を育てていると聞かされる。

「腹の広いお方だからな、おカシラは」

数ヶ月たち粂八の傷も癒えかかった頃、平蔵が牢にやってきた。

身の上話を聞かれたみなしごの粂八は、育ての親である御ん婆に手を引かれていた記憶を話した。牢の中の粂八に酒の入った盃を手渡すと平蔵は言った。

「なあ粂八。オレも実の母の顔を知らん。御ん婆か…オレも誰かに手を引いてもらいたかったな」

 

江戸に多発する残酷な強盗事件。現場には「血頭丹兵衛」と記した木札が残されていた。

「長谷川様。今お膝元を荒らしているその盗賊は、血頭の丹兵衛の偽物でございます」

牢の中から平蔵に訴える粂八。

「本物の丹兵衛なら、そんなむごたらしい真似はお日様が西から出てもいたすもんじゃございません」

粂八は19の時から丹兵衛の盗賊団で世話になっていたことを明かした。

「アッシにに真の盗賊三ヶ条を叩き込んでくれたのも血頭のおカシラでした」

 

一滴の血も流さず、金は有り余るところからしか盗まず、女は決して犯さない。

 

しかし、若気の至りで鉄の掟を破ってしまった粂八は、盗賊団を破門されてしまった。

「あの日以来、アッシはアッシなりに真の盗賊三ヶ条を1人で守って生きてきました」

「お前にとって血頭の丹兵衛は金箔付きの盗賊ってことだな」

 

義賊とはちょっと違いますが独自の信念を貫いて生きてきたんですね。ということは粂八を見捨てた盗賊団もそこまでひどいことはしてなかったのかもしれません(粂八が参加していたわけですから)。

しかし、平蔵が酒を差し入れたのはともかく、子供が紛れ込んだり重要な捜査情報を漏らしたりと、ずいぶん牢の警備がガバガバに見えます。これもひょっとして平蔵の作戦なのでしょうか?

粂八の決意

またしても起こった強盗事件。現場で唯一生き残った娘から、盗賊団が島田宿に集まるという情報を得た。

「長谷川様。血頭の丹兵衛を語る偽物、アッシに捕まえさせてもらえませんか」

粂八の申し出に平蔵は目を丸くした。

その行為は盗賊仲間にとっては汚らわしい犬となる行為だ。しかし粂八は恩義ある親分の名を語る輩をほうっておけないようだった。

 

心配の声が上がる中、平蔵は粂八を解き放つことを決めた。

「オレのやり方がうまくいかなとなれば、いつでも腹を切るさ」

そう言ってにっこりと笑みを浮かべた。

 

粂八は島田塾に入り目立つように騒ぎを起こした。自らの腕前をひけらかすように騒ぎ立てた。

やがて、粂八のいる旅籠に1人の男が訪ねてきた。

(餌に食いついた)

そう思った粂八の前に現れたのは、血頭の丹兵衛本人だった。

「…おカシラ…!?」

粂八との再会を懐かしむ丹兵衛。その口から現在の仕事ぶりが語られる。

「盗みは皆殺しに限る。なんてったって足がつかねえ」

現場に残した木札は、火盗改をおちょくっているのだと言う。

「…真の盗賊三ヶ条は?」

「ああ、大昔にそんなこと言ってたっけなぁ。まぁ若気の至りってことよ。そんな馬鹿みたいな話、おめぇよく覚えてたな」

そう高笑いした丹兵衛は、粂八に自分のところに戻って来いという。

粂八は静かにうなずいた。

 

粂八がもし逃げたらお家の一大事。平蔵の立場でよくこんな大胆な作戦を立てたものです。

厳しい責めにも口を割らなかった粂八の義を信用したのでしょう。

にしても、粂八はずいぶん腕が立ちますね。最初にあっさり捕まってので大した事ないと思っていました。

で、出てきたネズミがまさかの本物。昔の江口洋介みたいなイケメンだった丹兵衛が、でっぷり太った嫌らしい男になっています。強盗を続けて肥え太ったという感じです。

火付盗賊改方長官・長谷川平蔵

血頭の丹兵衛の盗人宿。粂八の合言葉で開いた扉から火盗改がなだれ込んだ。

「火盗改である。神妙に縛につけい!」

刃向かう盗賊団を平蔵の刀が力強く薙ぎ払った。たまらず外に逃げ出す丹兵衛。目の前に立ちはだかる粂八に叫んだ。

「裏切り者の犬め!」

「偽物の血頭の丹兵衛め!素直に獄門にかかりやがれ!…俺が胸の内にしまっている丹兵衛殿は手前ぇのように薄汚い野郎じゃねぇ」

捕らえられた丹兵衛を偽物だと言い張る粂八に平蔵が言った。

「このままオレの下で密偵として働く気はないか?お前にとっては嫌なことだろうが、お前ほどのものがいてくれると大いに助かる」

 

平蔵が自宅で読書をしていると、息子の辰蔵が剣の稽古から帰ってきた。汗ひとつない衣服を見て、妹のお順が「ホントに稽古をしてきたの?」とからかう。母の久栄に服についた白粉の跡を見つけられ焦る辰蔵。

平蔵がぼんやりと呟いた。

「もうすぐ春だからな…。油も抜かねば 」

 

殺陣はなかなかの迫力。平蔵の剣は華麗さより力強さが目立ちます。

記憶の中の大親分を汚されたくない粂八の気持ちは痛いほどわかります。その信念を釘を打ち込まれても曲げなかったわけですからね。

そして密偵へのスカウト。平蔵の声とシチュエーションで「D機関」(ジョーカー・ゲーム)を思い出しますね。

自宅のほのぼのシーンは時代劇にはつきものです。殺伐とした気持ちをホッとさせてくれます。

まとめ

思ったよりもはるかに見やすく面白い作品でした。

もともとのストーリーが素晴らしいのはもちろんですが、殺陣のシーンも迫力があって引き込まれました。

原作ファンには、登場人物が少し若すぎに感じるかもしれませんね。私は鬼平犯科帳を見ていなかったので違和感なく入っていけました。

 

EDも哀愁ある由紀さおりの歌声が流れてきて、いかにも本物っぽい……と思って調べたら鬼平犯科帳のエンディングテーマも由紀さおりが歌っていたんですね。オープニングテーマも田中公平の作曲でした。

で、スポンサーが時代劇専門チャンネルと文藝春秋というアニメでは聞いたことが無い組み合わせ。モノホンの時代劇と変わりませんね。

この作品の出来が、比較的手付かずの時代劇アニメの今後を占うことになりそうです。

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