3月のライオン第12話「対岸にあるもの/黒い河」のあらすじと感想です。
ネタバレを含みますのでまだ見ていない方はご注意下さい。
対岸にあるもの/黒い河
こたつの外
世話になった川本家から自宅に戻った病み上がりの零。インスタントの寂しい食事を取り三が日を過ごしながら、川本家との落差を感じる。
家庭の温かみを思い出し、こたつから急に抜け出たような寒さと寂しさを感じていた。
寂しさを振り払うように、思考を無理やり将棋に向ける。零が今季、唯一勝ち抜いているタイトル戦が獅子王戦だった。
「1つ買ったら60万♪ 2つ買ったら120万♪」
獅子王戦の高額賞金にテンションを上げる三角と共に、零は対局へと向かった。
今の時期には、零と同じような寂しい気持ち持つ人も多そうです。正月帰省した後に、一人暮らしの人間がやたらと寂しさを感じるような感覚でしょう。
獅子王戦は明らかに竜王戦をモデルにしていますね。名人位に次ぐ権威のあるビックタイトルで賞金がケタ外れに高いことでも知られています。
獅子王戦
「そういえば、三択とサンタクロースって似てるよね」
獅子王戦で零とぶつかったのは柳井九段。高い攻撃力を持つA級在位8年の強豪だ。
対局室の隣の盤では、三角が横溝七段と戦っていた。三角の指し回しにハマり、勝負を一気に決められてしまう横溝。
飛車『何か、城燃えてるし…』
おお…。三角の華麗な勝利に、零と柳井も思わず盤を覗き込んだ。
そして、零も粘りに粘った187手で辛くも柳井に勝利した。
三角の対局でニャー将棋が活躍。打った歩を毒栗に例えているところなんかはわかりやすくていいですね。
零もA級のダジャレ王に勝利。3月のライオンを見ると、棋士は変人ばかりと誤解されそうな気がします。
後藤
「元気そうじゃないか…残念だよ」
対局を終えた零と三角の前に、後藤が姿を現した。
香子をストーカー呼ばわりする後藤に、零は頭に血を登らせる。殴りかかろうとする零を三角が慌てて止めた。
階下から、釣り帰りの会長のゴキゲンな声が聞こえてくる。
「俺行くわ。幸田によろしくね」
いきり立つ零を尻目に、後藤は悠然と去っていった。
事情を知らない三角が心配そうに零に尋ねた。
「お前後藤さんと何かあったの?大丈夫か、何か物騒なこと言ってたけど」
後藤が初登場。というかプロ棋士だったんですね。街中のチンピラかと思いました。
髪の色や雰囲気から40代くらいのベテランに見えますね。ただ、幸田をオヤジと呼んでいるところからすると、零の兄弟子的な立場なのでしょうか 。トーナメントを勝ち抜いているので、かなりの実力者と思われます。
こたつの中
持ち切れないほど大量の魚。会長に釣果を無理やり持たされて、零は川本家を訪ねた。
あかりは、零の持ってきた大量の魚を見て目を輝かせた。
「お正月贅沢しちゃったからしばらく質素にねって言ってたの。でもこれで明日からもおいしいものが食べられるなぁ」
ひなたが食事を用意してくれる。シンプルな夕食の美味さに、零は涙が出るほど感激した 。
泊まっていってとせがむモモ。こたつでジグソーパズルをしようと誘うひなた。
あったかい、こたつみたいなおうち…。
心地よい空間から出たくない気持ちを振り切るように例は言った。
「ぼくね、今度どうしても負けたくない試合があるんだ。だからお家に帰って勉強しないといけないんだ」
モモが口にした激励の言葉が零の体に力をみなぎらせる。
「レイちゃん、頑張って」
ただなすすべなく後藤に殴られたことを思い出す。盤上でまで殴られっぱなしになるわけにはいかない。
これまでは、流されるように受け身な将棋を指してきた零ですが、珍しく闘志を燃やしています。川本家でのあたたかな雰囲気や食事、モモの激励が大きな力になったようですね。
居心地の良い空間にとどまらず厳しい戦いに赴く姿勢は、戦う理由がないと言っていたこれまでの零とは明らかに違いを感じます。
まとめ
零が後藤戦に向けて、これまでにない積極性を見せています。(三角負ける前提かい!)
後藤に向ける闘志の裏には、香子への想いが見え隠れしていますね。それが恋心なのかはわかりませんが、特別な感情があるのは間違い無さそうです。
一方で、後藤が本当に香子を迷惑に思っているのかは微妙に感じました。(零の気持ちを知っていて挑発しただけにも見える)
さらに引っかかるのは、三角と神宮寺会長の会話に出てきた「後藤が妻帯者」であることと「奥さんが入院」していること。良からぬトラブルが起きそうな気配がありますね。
今後の展開が気になります。