ALL OUT!!第11話「センスねェんだよ」のあらすじと感想です。
ネタバレを含みますのでまだ見ていない方はご注意下さい。
センスねェんだよ
残波琉人(ざんば りゅうじん)
「 ちょっとかき氷食べ過ぎて、お腹こわしちゃった。」
男の存在感にビビる賀茂と祇園だったが、大男は悠々と言った。
「まぁ、ゆっくり見てって」
身長192センチ、体重98キロ。石清水よりも大きなその男こそ嶺蔭学園のエース、ナンバー8・残波琉人だった。
白目が黒くて怖いです。でも怒られると思ったら、ゆっくり見ていってなんて言っちゃういい人。余裕なだけですかね?
残波が登場した途端、黄色い声援が飛び交っているので相当モテるみたいです。顔怖いですけど。
9人目のフォワード
遅刻を監督に怒られて、素直に謝る謝る残波。
「監督、オレ家から走ってきました。アップできてます」
すぐさま選手交代で試合に入る残波。しかし、そのポジションは8番ではなく9番のスクラムハーフだった。
「いやいやいや、おかしいって。スクラムハーフってのは、ごついフォワードが取ってきたボールを運び屋のバックスに渡す架け橋みたいなポジションなんだ。そうなるとパスの速さやすばしっこさが求められるからハーフには小さいヤツが多いのに…身長192センチのスクラムハーフなんて」
驚く賀茂の目の前で飄々とポジションにつく残波。対戦相手も残波の登場に圧倒されている。
試合が再開された。残波の豪快なプレイは、とても架け橋などという甘ちょろいものではなかった。
「あいつの場合、パスなんて自分がゴリゴリ前に出て陣地をたっぷり手に入れた後一回すればいい、そんな感じ」
残波の動きを見てそう評する賀茂。
「あいつはハーフってよりも、9人目のフォワードなんだ」
王者のラグビーを見て興奮する祇園と、反対に意気消沈する賀茂であった。
ちっこい先輩
嶺蔭が大差で勝利した試合を見終えた2人。帰り道にスポーツ用品店に立ち寄る。
ラグビー用のスパイクを見ながら、打倒嶺蔭に向けてやる気を見せる祇園。賀茂もその祇園のやる気に応じるように、昔自分が身長が低かったことをコンプレックスに思っていた事実を話し出す。
「小さな人間には、大きなスペースがある」
そんな海外の有名な選手の言葉に勇気づけられたことを話した。そして嶺蔭の試合を見て気後れしていることも…。
「やってみなくちゃわかんないっスよ。あのちっこいフランカーはスゲかったから、目標はアイツだな。俺フランカーやるし」
その時店内に現れたのは、話題のちっこいフランカー関人と弟の国人、霧島兄弟だった。
祇園の適性
初対面の祇園と関人だったが、関人が大好きなアニメ『みらくらリリンちゃん』のことを祇園がたまたま知っていたため意気投合した。
「今度うち来てよ。ボックス買ったから一緒に見よう」
それもいいがラグビーの話をしたいという祇園。関人からアニメがきっかけで高校からラグビーを始めた話を聞かされる。
フランカーとは何をするのかと問われて関人は答えた。
「全部。アタックでもディフェンスでも、どこだろうと飛んでいって一番最初に参加する。誰よりも早くいつもボールの近くにいて、すべてのプレイをしなくちゃいけない。チームで一番仕事が多いのがフランカー」
自分に憧れてフランカーになりたいという祇園に、関人はテストをしてやろうと申し出る。
「鬼ごっこしよう。君がフランカーに向いてるか見てやろう。オレを捕まえられたらルルンちゃんシールもあげる」
受けて立つ祇園。しかし日が傾くまで追いかけ回しても、華麗な身のこなしの関人に指一本触れることもできなかった。
「思ったよりセンスないね。フランカーに向いてないよ」
そう言い放つ関人の代わりに今度は国人が祇園の前に立ちはだかった。
「次は俺だ。少し見たいものがある」
ボールを持っているつもりで自分の横を抜いてみろという国人。見ている関人は、祇園の小さな体ではビビって動けるはずがないとタカをくくっている。
しかし祇園はひるむことなく国人に飛び込んでいった。巨体の国人にはじき返される祇園。何度も立ち上がってくる祇園の目を見て、国人は何かを確信したようだった。
「関人、こいつは関人だ」
そう言って高笑いする国人。ひ弱だった兄関人がラグビーを始めた時の姿と、目の前の祇園の姿を重ねて見ていた。
「関人は昔、お前よりダメだった。オレはお前、向いてると思うよ。センスがあるか無いかなんて進むのが早いか遅いかの違いさ。頑張れよ、その諦めの悪さだけは関人そっくりだ。きっと強くなれるよ」
去っていく兄弟の後ろ姿に祇園は叫んだ。
「強くなったらウチと試合してください。神高っていいます」
男クサい筋肉アニメに突然、萌え系アニメが登場しました。「みらくらリリンちゃん」なるシュールな謎作品。
それはともかく、高校デビューで神奈川ナンバー1フランカーになってしまうとはすごいですね。弟国人も男気溢れるいい奴です。嶺蔭の選手はみんな嫌味がないですね。東道大相模とえらい違いです。
まとめ
またしても祇園のコミュ力が発揮されました。
今度は嶺蔭選手との試合の約束。考えてみれば籠コーチも祇園が引っ張ってきたわけですから、試合に出ていなくても、神高ラグビー部の運命を大きく変えていると言えますね。
賀茂の人となりやラグビーへの思いも伝わってくるいい話でした。
次回も楽しみです。